【 ショーケン 】

NHKでクローズアップ現代という番組があり好んで観ている。

昨夜は録画していた「ショーケン・独自映像 最期の日々8年の素顔」を観た。
医師から希少がんを告知され亡くなる8日前までの8年間を妻の理加さんが撮りためた53時間の映像を、亡くなる前にショーケン自身がNHKに編集を托し制作されたドキュメンタリー。

遺作は大河「いだてん」だが、クランクアップされた作品は「不惑のスクラム」。
役はシニヤのラグビーチーム「ヤンチャーズ」の創設者。ウタさんと呼ばれ仲間から慕われていたが末期の胃がんに侵されておりドラマの後半で亡くなってしまう。

ショーケンは10代の頃からの憧れ人で「傷だらの天使」を観て自分もゴーグルを買いMEN’S BIGIの服と共に身に着けショーケンを気取り、よく人にからかわれた。
「不惑のスクラム」を観ていて気になったのはショーケンのおなか。「えらい腹でとんなぁ~」
高齢とはいえ憧れの人の容姿ではなく少し寂しい思いがした。
しかし、番組を観て驚いた。おなかのでっぱりは腫瘍のせいで溜まった腹水だった。
医師からは自殺行為と出演を止められたが、現実とクロスオーバーした脚本を見て最高のメッセージが残せると思ったのかも…。
ドラマのなかで高橋克典に自身が末期のがんに侵されていることを告げるシーンでは迫真の演技に涙が溢れ止まらなかったが、演技ではなく現実だったとは…それを知ると、また涙が溢れた。

映像のなかでショーケンは
「1人のがん患者が がんと闘ってるということではなくて、人生において悔いのない綺麗な人生と戦っている」
と語っているのは妻、理加さんへの想いから。
家族がいるからこそ仕事に打ち込めるといいつつ俳優としての生き方を貫く姿に、改めて容姿ではなく生き様に憧れた。
亡くなる8日前の最後の映像は遺作「いだてん」の高橋是清のセリフを懸命に稽古するショーケンの後ろ姿。
これを観てまた涙が溢れた…

 

one day店主

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